相続放棄
2026/06/16

遺産分割後に発覚した被相続人の債務(800万円)について相続放棄が認められた事例

相続放棄:50代 男性

依頼者の立場
被相続人の息子
被相続人
依頼者の父

依頼前の状況

父親が亡くなった後、相続人である母親、兄、本人との間で遺産分割協議が行われ、不動産、預貯金、自動車などについて遺産分割協議書も作成されていました。
ところが、父親の死亡から相当期間が経過し、相続放棄の期限である3か月も経過した後になって、突然、債権回収会社から、父親が生前経営していた会社の借入れについて、父親が連帯保証人となっているとして、約800万円の支払いを求める書面が届きました。
依頼者は、それまで父親がそのような連帯保証債務を負っていたことを全く知らず、突然多額の請求を受けることになったため、弊所にご相談に来られました。

依頼内容

依頼者としては、父親が会社を経営していたこと自体は知っていたものの、その会社の借入れについて父親が連帯保証人となっていたことは全く知らなかったとのことでした。
また、仮にそのような多額の債務があることを知っていれば、遺産分割協議を行うことなく、期限内に相続放棄を選択していたとのご意向でした。
もっとも、本件では、すでに遺産分割協議が成立し、遺産分割協議書も作成されていたため、形式的には、相続財産を承継する意思を示したものとして、相続放棄が認められない可能性が高い状況でした。
そのため、今からでも相続放棄が認められる余地があるのか、認められる可能性があるのであれば申述を行いたい、とのご相談をいただきました。

対応と結果

弁護士において、父親が経営していた会社の関係者や債権回収会社の担当者に連絡を取り、連帯保証債務の内容、請求に至った経緯、依頼者が債務の存在を知ることができた時期などを確認しました。
その上で、本件では、すでに遺産分割協議書が作成されていたものの、依頼者が当時把握していた相続財産の内容、後に判明した連帯保証債務の金額、債務の存在を認識することが困難であった事情などを整理し、例外的に相続放棄を認めた最高裁判所の判例も引用しながら、裁判所に対する報告書を作成しました。
その結果、裁判所において、本件では例外的に相続放棄を認めるべき事情があると判断され、相続放棄の申述が受理されました。
これにより、依頼者は、父親の約800万円の連帯保証債務について責任を免れることができました。

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